落合陽一やメンタリストDaiGoの問題点

雑記

英語留学から日本に帰ってきて、久しぶりに日本のユーチューバーなどを見てみました。
半年間も海外にいると、日本のインフルエンサー事情に疎くなっており、
メンタリストDaiGoが有名になって批判や様々な意見が飛び交っていることを知りました。

実は、英語留学行く前、僕自身もDaiGoさんのニコ動の有料会員でした。
そのこともあって、色々と思うことがあったので、この記事でまとめていきます。

インフルエンサーの炎上騒動

この記事を書くにあたり、僕も研究者の端くれなので、特にアカデミックよりのインフルエンサーたちについてリストアップしてみます。

  • 落合陽一
  • メンタリストDaiGo
  • Siraj Raval

他にたくさんの活動されている方がおりますが、
僕が知っていた、この3人について最初に炎上騒動の概要をまとめます。

落合陽一

2019年1月に、古市憲寿さんと呼ばれる方との対談記事が原因で炎上騒動になりました。

日本の終末期医療について語る際に、保険適用を外すことを提案するなど、
為政者側の代弁じみたやりとりが問題になりました。

個人的には、落合さんよりも古市さんの発言の方に、問題が多いように思えました。

以下の記事が、簡潔にまとまっており、わかりやすいです。

またも“不祥事”、古市憲寿と落合陽一の対談が大炎上 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
文學界 2019年1月号 また不祥事である。  今回は文芸誌1月号が対象だが、〆切の都合で他の文芸時評よりだいぶ遅れて書かれている。…

メンタリストDaiGo

メンタリストDaiGoさんは、現在ニコニコ動画とYoutubeで活動されており、
心理学を中心とした自己改善(?)について解説して、大人気となっています。

DaiGoさんが人気の理由として、研究論文を元にした動画を作っており、
本人曰く「科学的根拠に基づいた手法」を紹介しています。

大きな問題になったのは、いわゆる宿題不要論と便秘改善方です。
どちらも要するに、論文をちゃんと読んでいないことが問題になっています。

宿題不要論については、以下の動画に問題点がまとまっております。

便秘改善の問題は、下の動画がわかりやすいです。

Siraj Raval

Sirajさんは、機械学習などについて解説している有名なユーチューバーで、
このブログでも昔紹介したことがあります。

彼の問題は、簡潔に言うと論文の盗用です。
2019年10月ごろ、Siraj Ravalの単著で「Neural Qubit」というタイトルで、論文を発表しましたが、
そのほとんどが別の論文からの盗用であることが判明しました。

この問題について、日本語の情報では、あまりわかりやすいものがなかったので、海外の動画を紹介します。

下の動画は、かなりSirajさんを批判的にみている人の動画ですが、
一連の問題がよくまとまっています。

過去記事については、僕は動画を一通り見て、紹介された方法の多くの書籍などで書かれていることであり、それらの内容を上手くまとめているなっと思ったので紹介しました。

アカデミック・インフルエンサーの特徴

ここでは、前節で紹介したようなアカデミックの知識や経歴を売り出しているインフルエンサーを「アカデミック・インフルエンサー」と呼ぶことにします。

個人的に彼らには、以下の3つの特徴があると思います。

・異常な努力量を主張する
・断定的な物言いをする
・専門外のことを語る

僕は、昔メンタリストDaiGoさんのニコ動の有料会員だったので、
DaiGoさんを例に、この特徴について解説していきたいと思います。

異常な努力量を主張

DaiGoさんは、自身の動画の中で、以下のようなことを主張しています。

  • 1日に何十本も論文を読む
  • 本も毎日読む
  • 高頻度で書籍の執筆も行う

そして、これらを可能にしているのが「科学的根拠に基づいた方法」であるらしいです。

この努力が本当か嘘かはどうでもいいですが、
この常人超えした能力が、彼らの説得力を増します。

前節で紹介した他のアカデミック・インフルエンサーも似たようなことを紹介しています。
Sirajさんも、1日に研究論文の精読、プログラミング、コミュニティの運営などをこなしていると語っています。

断定的な物言い

DaiGoさんの動画で、僕が一番気になったことがコレです。

確かに参考元の研究論文には、DaiGoさんが動画内で説明した意見を支持する実験結果が示されていますが、
彼の物言いは、明らかに強すぎます。

一つ一つの研究論文は、あくまでその可能性を示唆するもので、
いきなり次の日から、全人類が実践すべきことではありません。

僕はこのことを理解した上で、参考論文も軽くですが確認していました。

しかし、あまりアカデミックのバックグラウンドがない人が見れば、過剰に信じ込んでしまう危険性を感じました。
彼のニコ動のチャンネル登録者13万人全員が、修士以上のアカデミック知識を持っているとは考えにくいです。

アカデミック・インフルエンサーに限らず、これは多くの著名人に当てはまる特徴ではないかと思います。
簡単でわかりやすい答えをくれる人が、人気が出ることは明らかだからです。

専門外の分野への意見

DaiGoさんのYoutubeチャンネルを見れば明らかなことですが、
DaiGoさんは、心理学だけではなく、健康科学、生理学、ビジネス、時事ネタまで、幅広い分野で動画を出しています。

あまり知られていませんが、そもそもDaiGoさんの大学時代の専攻は「物理学」です。
百歩譲って、独学で心理学を極めたとしても、これだけの分野で研究者並みの意見を表明するのは不可能です。
その道で博士号をとるほど極めている人には、到底敵いません。

他のインフルエンサーについても、あらゆる問題に対して、意見を述べているように思えます。
特に、落合陽一さんの炎上騒動などは良い例で、専門外のことに対して口を出したことが、そもそもの騒動のきっかけです。

これらのインフルエンサーの問題を端的に表す表現が、
手先の器用な素人に自分の手術をさせますか?
です。

もしあなたの答えがNoであれば、
なぜ物理学を学んだ人間の心理学に対する意見を鵜呑みにするのでしょうか。
ちなみにこの表現は、トム・ニコルズ著『専門知は、もういらないのか』を載っているものです。

アカデミック・インフルエンサーの問題

では、そんなアカデミック・インフルエンサーの何が問題なのでしょう?

それは多くの人が、アカデミック・インフルエンサーにあらゆる問題の答えを求めようとすることです。
なぜなら、彼らは常人では考えられない異常な努力をしており、わかりやすくハッキリした物言いをしてくれるからです。

多くの人は
こんなに素晴らしい実績があり、努力をしている人が、こんなに説明していることなら正しいに違いない。しかも彼らが言っていることを僕/私は理解できた
と考えてしまいます。

もしその内容が、その人の専門分野であれば、ある程度参考なることでしょう。
大学の授業で、教授の言う小難しい数式が理解できたのであれば素晴らしいことです。

しかし、アカデミック・インフルエンサーの場合、ここで第3の特徴が付き纏います。
専門外の意見」です。

当然、専門外ならばその意見は素人同然です。
多少、論文に目を通そうと、その程度でわかった気になること自体、アカデミックの人間とは考えられません。

誰が言ったか知りませんが、こんな格言があります。

Once you get a B.S., you think you know everything. Once you get an M.S., you realize you know nothing. Once you get a Ph.D., you realize no one knows anything!
学士はなんでも知っている。修士は自身が何も知らないことを知っている。博士は誰も何も知らないことを知っている。

つまり、学問を極めるほど、その奥深さを認識します。
だからこそ、ほとんどの大学教授の説明はわかりづらく、回りくどいです(笑)
彼らは、断定的に言えないことがどれほど多いか知っているからです。

しかし、一般の人は最新論文や権威ある先生の言うことは正しいと思っており、
それを利用したのが、DaiGoさんであると言えるでしょう。

その権威や人間の弱さを利用すると、素人同然の意見が一般に広まってしまいます

以下の動画は、この問題について非常に興味深い説明をしてくれていますので、合わせて見てみてください。
少し古い動画なので、落合陽一の炎上騒動を中心に語っています。

上の動画では、アカデミックの背景を利用した意見表明を「魔術」としており、
宗教と同じ手口であると説明しています。

インフルエンサーに振り回されないためには?

様々な本などで言われている通り、自分の頭で考えて、情報を取捨選択することこそが重要です。そのためには、自分自身が持つ知識の質を向上させる必要があります。

有り体の結論ではありますが、本を読むことが知識を増やし、情報の処理能力を上げてくれます。
しかし書店に並んでいる多くの本もまた、何らかのレポートなどをまとめた2次、3次の情報です。

やはり、1次情報に触れることで本物の知識が身につくと思います。
僕が考える対策としては2つあります。

1つは、研究者などが独自の見解などを踏まえた本です。
長年、特定分野に注力した研究者の知識は、非常に洗練されており、
その本に書いてある内容も、研究者本人が経験したことや発見した事を基に構成されています。
これは紛れもない1次情報であり、直接ビジネスに使えなかっとしても、
我々の物事に対する捉え方に、大きな影響を与えてくれます。

2つ目は、研究論文を読むことです。
研究論文というものは、研究者が長い年月をかけて取り組んだ内容の集大成です。
もちろんその内容は、完全な1次情報であり、研究者独自の世界観を知ることができます。

研究論文の読み方は以下の記事で紹介しています。

ディープラーニング研究者のAndrew Ng先生に学ぶ「論文の読み方」
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まとめ

如何だっでしょうか?

今回の記事は、海外留学から帰って、僕の見ていたアカデミック・インフルエンサーたちが揃って炎上していたことをきっかけに書きました。
ちなみに、最近話題になった大澤昇平さんの授業も昔受講していましたw

とにかく大事なことは、結局、全知全能者などこの世にいないことを理解することです。

毎日動画を投稿し、筋トレ、読書、論文を読み、本の執筆までする。
テレビに頻繁に出て、研究も行い、会社経営する。
最新論文を読み、コミュニティを運営、動画撮影、SNSの投稿。
どんな人間にも不可能です。

必ずトリックはあります。
例えば、実は論文をちゃんと読んでない、ゴーストライターを雇う、人の成果を自分のもののように発表するなどです。

みなさん、コツコツと毎日努力しましょう!

コメント

  1. えり より:

    イギリスに住んでおり、今更ながらこちらの記事で落合陽一さんとダイゴさんの状況を知る事ができました。
    そして、仰っている事、同感です!言い切れる事なんてこの世に何パーセント存在しているんだろうかと思う日々。論文一つで決定付ける事なんてこの世に存在なんぞしておりません。
    確かに、宗教的です。
    この記事には驚き、コメントされて頂きました。

    • ぎーやなTV より:

      最近メンタリストdaigoガー科学的根拠ガー言う人増えてきて本当にそれって正しいの?って思って検索したところでてきました。
      一次情報に触れる回数を増やしたいですね

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