ムーンショット型研究開発の先駆者X (Google X) についてまとめてみた

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サラリーマン
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「ムーンショット型研究開発」ってたまに聞くけど、それ何?
先行事例とかあったら知りたい。

この記事では、こんな疑問に答えます。

内閣府が打ち出したムーンショット型研究開発制度って話題ですよね。

でもムーンショットって言葉は、とっくの昔(2010年ごろ)から話題になっていて、政府が今更使っているという背景があります。

今回は、そんなムーンショット型研究開発の先駆者であるX(Googleの研究開発機関)についてまとめてみました。


ムーンショット型研究開発

ムーンショット型研究開発とは、破壊的イノベーションを起こせるハイリスク・ハイインパクトな研究開発のことで、アメリカの第35代大統領ジョン・F・ケネディが、「10年以内に月に人を送る」と言ったことに由来しています。

要するに、生活を一変させるような分野に巨額の投資を集中させるような、開発手法のことです。

X

そんなムーンショット型研究開発の代表格であるXについて紹介します。

「X」とは、Googleにおける開発プロジェクトのうち、特に未来的な技術の開発に取り組んでいる機関の呼び名です。
一昔前までは、「Google X」という社名でやっていましたが、数年前に「X」だけになりました

Xは、研究分野を以下のように説明しています。

X is a diverse group of inventors and entrepreneurs who build and launch technologies that aim to improve the lives of millions, even billions, of people. Our goal: 10x impact on the world’s most intractable problems, not just 10% improvement. We approach projects that have the aspiration and riskiness of research with the speed and ambition of a startup.

これをGoogle翻訳にかけると

Xは、何百万人もの人々、さらには何十億人もの人々の生活を向上させることを目的とした技術を構築し、立ち上げている多様な発明家や起業家のグループです。 私たちの目標は、10%の改善ではなく、世界で最も扱いにくい問題に10倍の影響を与えることです。 私たちは、スタートアップのスピードと野心を持って研究の願望と危険性を持つプロジェクトに取り組みます。

目標として「世界で最も扱いにくい問題に10倍の影響を与えることです」とあり、非常に野心的なことがうかがえますね。

Xの実績

Googleが巨額の予算が投資されていることが予想されるXですが、どんな実績があるのか見てみましょう。

代表的な製品として、Google Glassウェイモ(Googleの自動運転車)があります。

Google Glass

まるでSF映画のように、メガネを通して映像を見ることができます。
これはビデオを見てもらった方が早いでしょう。

残念ながら、そのギークな見た目から一般向けの販売は中止してしまっています。

現在は法人向け製品として、販売されています(参考リンク)。

Waymo(ウェイモ)

こちらもSF映画のような、製品で完全な自動運転車です。

自動運転車ブームの初期から登場したこともあり、走行距離は約80億キロメートルっと実績を残しています。

大雪だと走れないなど、まだまだ実用化には課題がありますが、引き続き期待したい製品です。

Xの研究領域

ここからはさらにXについて掘り下げていきたいと思います。

現在、Xが実証目処をつけたプロジェクトは7個あります。

ムーンショット型研究開発の成果として、簡単な解説をしていきたいと思います。

Self-driving Cars(自動運転車)

人間のミスによる交通事故を無くそうと始まったプロジェクトで、完全な自動運転車の開発を目指したものです。

このプロジェクトは、すでにXから卒業しており、Waymoとして実用化に向けて、別機関で開発されています。

Delivery Drones(配達ドローン)

配達による交通渋滞やCO2排出対策として、飛行機ドローンによる配達システムの構築を目指すのがこのプロジェクトです。

こちらもすでにXを卒業しており、プロジェクト名「Wing」として、実用化が目指されています。

よく見る4枚羽根のドローンではなく、飛行機型のドローンなのが特徴でしょう。

環境配慮が重視されているので、効率よく飛べることに特化していると考えられます。

非常に特徴的な形なので、是非公式サイトを確認してみてください。
https://wing.com/

Internet Balloons(気球によるインターネット接続)

インターネット設備の敷設は、長いケーブルを引き回したりと、非常に大変です。
Wi-Fiのように、無線での接続もできますが、今は小規模な環境でしか使えません。

頑張って地上にネット回線を設置しても、地震により壊れてしまい、肝心な災害時に接続できなくなってしまいます。

このプロジェクト「Loon」は、気球に無線インターネット設備をのせて、空を経由してインターネット接続をさせるというものです。

説明動画非常にわかりやすいです。
英語ですが、イラストだけで理解できます。

公式サイトもあります。
https://loon.co/

Life Sciences(次世代医療)

このプロジェクトでは、ITを使った医療技術を全般的に扱っています。

スマートコンタクトレンズなど、様々なIoTデバイスを組み合わせることにより、人間の些細な行動の変化から病気を早期発見できます。

現在はXを卒業し、Verily Life Sciencesとして会社化しています。

Smart Glasses(スマートグラス)

前述の通り、Google Glassのプロジェクトです。

法人向けに販売されており、すでに100以上の企業で導入されています。

Energy Kites(風力発電飛行艇)

飛行艇を空にあげ、上空の風をエネルギーに変えるプロジェクトです。

飛行艇と地上のタービンを、ケーブルで接続して、飛行艇が回転運動することで、ケーブルを引っ張りタービンを回す仕組みです。

こちらもMakaniとして、Xを卒業しています。

Salt-based Energy Storage(塩による熱貯蓄)

このプロジェクトでは、塩を利用した電気貯蔵システムを開発しています。

自然エネルギーのデメリットは、その不安定さです。
太陽光発電などは、天気により発電量が大きく左右されます。

そこで電気エネルギーの安定供給のために、エネルギーを蓄えるシステムとして提案しているのが塩蓄電です。

電気を使いヒートポンプを動かして、温度差を作り出します(片側を温め、もう片側を冷やす)。

熱で塩を融解させ、冷気で液体を冷やします。

この温度差を保ったまま保存しておき、電気が必要な時に温度差発電で電気に変えます。

こちらもMalta, Incとして、Xを卒業しています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

Xのプロジェクトの一部を紹介しましたが、アイディアに富んだものが多かったと思います。

まさに「素人発想玄人実行」を体現したようなプロジェクトでしたね。

そして、何よりも驚くのはそれらが事業化していることではないでしょうか?

研究のみで留めず、ビジネスとして世界に向けてリリースを目指すところも、ムーンショット型開発の醍醐味でしょう!

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